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総合的な探究の時間ポスターセッション/理数探究中間発表

1月30日(木)の5校時から7校時を使って、
体育館で、1年生と2年生(普通科)の合同の、
総合的な探究の時間のポスターセッションが行われました。

この1年間、
1年生は地域課題研究、
2年生は個人課題研究を進めてきましたが、
そのまとめの時間です。

1年生はクラス内発表で選ばれた代表、
2年生もゼミ内発表で選ばれた代表、
そして震災復興しらかわゼミの代表も特別参加し、
26のブースの前半と後半に分かれて発表をしました。

昼休み  ポスターの設置が終わり、発表を待つ大体育館 嵐の前の……

開会式では、校長先生から

「これから生きていく中で、なかなか答えの出ない問題に向き合っていくときに、この総合的な探究の時間で取り組んだことを活かしてほしい」

というお話があった後、

指導助言をいただく、
白河市役所企画政策課の戸田良樹さま、
一般社団法人未来の準備室室長の青砥和希さま、
地域コーディネーター(一般社団法人Bridge for Fukushima所属)佐藤勇樹さまの紹介がありました。

校長先生から講師(向かって左から佐藤さま、戸田さま、青砥さま)を紹介しました。
総合的な探究の時間担当の教員から今日の流れの説明です。
発表スタート! それぞれ発表を聞きたいパネルに移動します。
発表者は1年間の探究の内容をA0判のポスター1枚にまとめました。
限られた時間の中で、研究の目的や方法を、そして「整理・考察」した内容を伝えます。
発表を聞いてわからない点は発表者に質問します。
校長先生も発表を聞いてまわります。緊張する!
1つの発表が終わると次の発表を聞くために別のパネルに移動します。
ポスターのわきにはピンク(1年生)と青(2年生)の付箋が貼られています。
発表を聞いた人たちから時間内にできなかった質問やアドバイスが書かれています。
発表は1つのポスターにつき3回。発表も質疑応答もだんだん上手になっていきます。
震災復興しらかわゼミの発表。さすがに手慣れたものです。内容も充実しています。
生徒と教員、講師だけでなく、PTA役員や学校評議員の方にも聞いていただきました。
講師の方々もぞれぞれのパネルで質問やアドバイスをしてくださいます。
聴衆が多かったパネルの1つ。テーマは「身長を伸ばす方法」。ぜひ知りたい!
まだまだ聞きたい発表があるけど、そろそろ終了の時間です……
閉会式。最後に講師のみなさんにお一人ずつ指導・助言をいただいて終わりました。


ポスターセッションと同じころ、
2年1組理数科クラスでは理数探究の中間発表を行いました。

理数科クラスは理数探究発表会を3年次の12月に行っています。
(2024年12月18日更新のnote記事「理数科3年生理数探究発表会」をご覧ください。)

この最終発表に向けて、
2年生の生徒たちは10月から本格的に探究計画を立ててきました。
生徒たちの探究も少し軌道に乗り始めたところでの中間発表となります。

生徒たちは
物理、化学、生物、地学、数学の分野の計9班に分かれ、
探究内容、今後の予定、現在の仮説などについて発表しました。

生徒たちが興味を持ったことについて今後、
実験やシミュレーションを通して研究していきます。
中には現3年生が研究していた内容を引き継いだものもあり、
学年を超えた縦のつながりも感じました。
生徒たちが発表したことに対して質疑応答も活発に行われました。
ここでの意見が今後の研究の参考につながります。

物理班  物理学的にテニスのサーブスピードをどうやって上げられるか。
地学班  どのような土を使うときれいな泥団子ができるのか。
数学班  トランプゲーム「ブラックジャック」の戦略を確率的に考える。
生徒たちも積極的に質問をぶつけます。
探究のヒントになります。


令和元年度に始まった総合的な探究の時間ですが、
最初の学年は手探りの出発でした。

他校への視察で、探究活動が盛んな学校の先生にお話しをうかがった際の、

「他校のうまくやっているやり方をパクってうまくいくのか」

という言葉に、耳が痛かったのが思い出されます。

白河高校としては、
1学年では地域に関する課題についてのグループ研究を行いながら探究のプロセスを学び、
2学年ではそれぞれの関心あるテーマについての探究活動を行う個人課題研究、
3学年では1,2年時の研究テーマを自分の在り方生き方、とくに大学で追究したいこととつなげて考える進路研究という流れを構想し、

総合的な探究の時間を「登龍ゼミ」と名付けることにしました。

地域課題研究では、
「はやぶさ2」に製作に携わった日本工機株式会社白河製造所さまや白河市役所さまに講師を派遣していただき、講演会を3回実施しました。
地元の歴史や産業や政策課題に触れたうえで、それぞれが関心を持ったテーマについて探究活動を行いました。
初年度の探究の「まとめ・表現」もポスター発表でしたが、クラス代表による学年発表会の形式でした。

個人課題研究では、
興味・関心のある分野が近いテーマの生徒たちを集めて16のゼミを作り、
他の学年の総合的な探究の時間を担当する教員以外の全員が各ゼミの指導教員となりました。
初年度の探究活動の「まとめ・表現」は論文作成とゼミ内での輪読会(ピアレビュー)でした。

この流れが白河高校の総合的な探究の時間の基本的なフォーマットになり、
おおまかな流れを引き継ぎつつも、
毎年少しずつカリキュラムの内容が改善されてきました。
「課題の設定」の手がかりとして一般社団法人未来の準備室さまに講演をしていただいたり、
「情報の収集」の実践としてフィールドワークを実施したり、といったことです。

また、今年度は白河市からユース世代地域創造支援事業として
ユースワーカーを派遣していただくことができ、
フィールドワークの調整など、生徒たちの探究学習を
様々な面からサポートしていただけるようになりました。

そして、論文やレポート形式でまとめることが多かった個人課題研究ですが、

「2年生の研究成果を1年生にも見せたいよね」、

そんな思いから、
総合的な探究の時間6年目となる、
今年度の探究活動の「まとめ・表現」として
2年生と1年生の合同のポスターセッションを企画しました。
白河高校としては初めての取り組みでしたので、
福島県内外の学校のポスター発表に学ばせていただきながら
準備をしました。

3回の発表をとおして自信をつけていく顔、
6つの発表をメモをとりながら真剣に聞いている顔、
2年生のポスターの完成度に驚く1年生の顔、
そんな生徒たちの顔を見て手ごたえを感じた1日でした。

自分自身の力で課題が設定できるか、

インターネットだけにとどまらない情報の収集ができるか、

「調べ学習」に終わらない整理・分析ができるか、

さまざまな課題もありますが、
生徒たちと少しずつ「登龍ゼミ」の内容を充実させていきたいと思います。

なお、当日の様子は
福島民報さまと福島民友さまにも取材していただきました。
福島民報では2月5日朝刊、
福島民友では2月6日朝刊に
記事が掲載されていますので、ぜひご覧ください。

そんな中、理数科の2年生からは、

「私たちは総探の発表を見られないんですか?」との声が。

本校では理数科2年生は
総合的な探究の時間に代えて理数探究を履修しています。
この日はちょうど、
3年生の冬まで続くグループ研究の「中間発表」の日でした。

1年生と2年生の総合的な探究の活動の交流ができた白河高校の次の課題の1つは、総合的な探究の時間の活動と理数探究の活動との交流です。