見出し画像

チャンプ本は…表紙と中身のギャップ大!芥川賞のあの本

10月23日(水)放課後
校内ビブリオバトル(書評合戦)がおこなわれました。

主催は図書委員会。今年で5回目の開催。
今回は32名の皆さんにご参加いただきました。(生徒24名、教職員8名)

それぞれ5分で推し本の魅力を語るバトラー

ビブリオバトルのキャッチコピーは
「本を通して人を知る 人を通して本を知る」
 
図書主任より、
姜尚中『漱石のことば』の一節を引いての読書への誘いの後、
4名のバトラーが、くじ引きで決まった順番にのっとり、
自分の推し本についてある人は静かに、ある人は熱く語ります。

観覧者も静かに聴き入ります

4人のバトラーの発表→ディスカッション(質疑応答)を終えると
いよいよ投票の時間。
皆さん迷いながらも「一番読みたくなった本」に投票します。

開票を待つ間、バトラーからひとこと

開票結果がまとまり、いよいよ発表です。
白河高等学校・第5回校内ビブリオバトルのチャンプ本は・・・
 
高瀬隼子 著 『おいしいごはんが食べられますように』に決定!
 
表紙は白地にお鍋のイラスト。黄色いスープがおいしそう…

可愛らしくほんわかとした雰囲気を醸し出しています。
芥川賞を受賞し図書館内で展示されていたこの本。
バトラーもはじめは「癒し系」の本だと思い手に取ったそうです。
 
ところが実はこの本、「食べること」への温度差がからんだ
職場でのちょっとシビアな人間関係を描く本。
人の心の深淵を覗き見るような小説だったとバトラー。
 
「食べさせたい人」と「食に興味がない人」との齟齬という
ありそうでなかった切り口と、
可愛い装丁の雰囲気を裏切るような不穏なストーリー。
観覧者のみなさんもそのあたりに惹きつけられたのかもしれません!
 
 
大きな拍手をもって、
皆でチャンプ本とそのバトラーをたたえます。
 
また、惜しくもチャンプ本を逃すも
素晴らしい発表をおこなったバトラーにも
参加賞が手渡されました。

参加賞は「登龍ノート」
製造を終了したレアものです

チャンプ本のほか、この日紹介された本は
 
二宮敦人 著『最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常』
 
望月麻衣 著『満月珈琲店の星詠み~本当の願いごと』
 
ドゥーガル・ディクソンほか 著『アフターマン』
 
 
バトラーたちは、5分という時間を見事に使い、
個性的な発表をおこないました。
 
東京藝大での「それってどういうこと?」な日常の面白さを、
あえて冷静沈着に語ることで逆に聴く者を惹きつけたバトラー
 
「心悩める人」に寄り添う不思議な珈琲店が舞台の小説。
自身も、この小説でとっても美味しいスイーツに出会った
と語ってくれたバトラー
 
インパクトのある表紙を見せながら、
人間の出現が動物たちにいかに影響を及ぼしたか伝えようとしたバトラー
 
皆さん、本当に素晴らしい「推し本」の紹介をありがとうございました。
 
 
4人の発表は、観覧者の心に「読みたい気持ち」の小さなあかりを
灯してくれたことと思います。
読書は本来個人的な営みですが、
こうして「推し本」を伝えあうことで、
本との出逢いが広がっていくとよいですね。
 
ビブリオバトルをきっかけとして、読書週間(10/27~11/9)に
素晴らしい一行との出逢い、本との出逢いがありますように。
 
参加してくださったすべてのみなさん、ありがとうございました。